湯婆婆「フン。かばんというのかい?貧相な名だねぇ」( No.0 )
湯婆婆「今からアンタの名前は……」
かばん「いいえ!貧相なんかじゃありません!」
湯婆婆「あん?」
かばん「この“かばん”という名前は、ぼくの友達が初めて出会った時につけてくれた大切な名前なんです」
湯婆婆「………」
かばん「あの日、自分が何者なのかも何で生まれてきたのかも分からなかったぼくに名前をくれて……一人じゃ何もできないぼくのために一緒に旅をしてくれて……ずっと側にいてくれたんです」
湯婆婆「………」
かばん「あの子に名前を呼ばれる度に、ぼくの心は幸せでいっぱいになるんです……ぼくにとってあの子は、かけがえのない大切な存在なんです!だから……だからッ!お願いです!あの子を……サーバルちゃんを返してくださいッ!」
湯婆婆「………訂正するよ、いい名だね」ニヤッ
かばん「えっ……?」
湯婆婆「負けたよ……いいだろう!アンタの相棒が八百万の神様の食べ物をつまみ食いした事、許してやる。二人ともとっととおうちに帰りなぁッ!」
かばん「……ッ!はいっ!ありがとうございます!」
おわり