Re: 獣友高校生の日常( No.78 )
マーゲイ(思えばこの顎ヒゲ、これだけ目立つのに何でこんなになるまで放っといたのかしら?)
マーゲイ(まず周りのフレンズが誰か指摘するハズでしょ?誰も言わなかったの?これを……)
マーゲイ(言う人が、誰か………誰も…………?)
マーゲイ(………ひょっとしてこの娘、友達がいない……?この顎ヒゲは、孤独である証………)
マーゲイ(この娘は誰からも見てもらえないんだ………誰も………)
そして電車は定刻通り平原東校前の駅に到着した
ヒゲの少女もいつものように電車から降りて、駅のホームを歩いていく
停車時間を終えて無情にも電車の自動ドアがプシューッと閉まった、その時───
マーゲイ「───待って!!」
ヒゲペンギン「?」クルッ
ヒゲペンギンが振り返ると、そこには咄嗟に電車を跳び降りて肩で息をするマーゲイが立っていた
マーゲイ(………いえ、私がいた!)
マーゲイ(もう私個人がどうこうの話じゃなくなったわ!この胸くそ悪い顎ヒゲだけは、刺し違えてでも取ってしまわなければならない……ッ!)
ヒゲペンギンと向かい合ったマーゲイはゆっくりと顎の下を指差すと……
マーゲイ「………顎からヒゲが生えてる!」
ヒゲペンギン「ひぇあ!?////」
マーゲイに指摘され、ヒゲペンギンはバッと手で顎を覆い隠す
そのまま無言の時間が十秒程続き、マーゲイは滝のような冷や汗を流しつつ通報されるのを覚悟していたが……
マーゲイ「………」
ヒゲペンギン「………」
マーゲイ「………」
ヒゲペンギン「………ふ、ふふっ」クスクス
マーゲイ「……?」
ヒゲペンギン「どうもありがとっ♪」
ヒゲペンギンが最高の笑顔でお礼を言った
ヒゲペンギンが去っていき、誰もいなくなった無人のホームに一人佇むマーゲイ
マーゲイ(………以上が、こんなくだらない事に真剣に悩んでいた愚かなフレンズの話である)
マーゲイ(………あ、今日完全に遅刻だわ)