Re: 獣友高校生の日常( No.19 )
ツチノコ(何で無言なんだ!?このクソ広い川原で、俺の脇にわざわざ座っといて!)
ツチノコ(何の用か知らんが、やはり俺から声をかけるべきなのか?……いや、でも何て?)
ツチノコ(とにかく、女の子に気のきいたセリフなんて俺言えねぇぞ……)
ツチノコは少し考えて、それっぽいセリフを思い浮かべた
ツチノコ(……夕焼けが綺麗ですね)
ツチノコ(………いかんいかんいかん!こんなありきたりなセリフ、この状況には合わない!)
ツチノコ(そう、この状況……夕陽に染まる川原で孤独に本を読むフレンズと出会う幻想的なシチュエーション)
ツチノコ(多分コイツは、ロマンチックで非現実的なガール・ミーツ・ガールを期待しているのでは……?)
ツチノコは再びチラリと横目で後ろを見る
するとそこには頬を染めてソワソワした様子のアミメキリンの姿があった
ツチノコ(どうもそんな感じだ!)
ツチノコ(となると、イカした一言だな……)
ツチノコ(……だいたい俺は、友人二人がテストで赤点取って居残り授業させられて暇だから一人で読書しているだけで、何の設定もない普通のフレンズなんだがな……)
ツチノコ(まぁいい、とにかくコイツの期待を裏切るワケにはいかん……飛ばすぜ、スカした言葉を!)
ツチノコ「………今日は、風が騒がしいな……」
ツチノコ(………何か死にたくなってきた)
ツチノコ(何だこりゃ、恥ずかしいっていうより何かそのー……死にたい)
ツチノコ(やっちまったか……?)
ツチノコは横目でアミメキリンの反応を窺う
アミメキリン「…………ッ!!////」カァ…
ツチノコ(いや、嬉しそうだ!!)
ツチノコ(……ちょっと精神が崩壊しかけたが、言ったぞ!さぁ、どう返す……?)
アミメキリンはスッと立ち上がると髪をかきあげ、憂いを帯びた表情で呟く
アミメキリン「………でも少し、この風…泣いています」
ツチノコ(ヴォアーハッハッハッ!!おもしれーわ、コイツ!!)